正直堂にてWEB制作事業を行っていた時、プログラマーさんやデザイナーさんの仕事(タスク)管理に、プロジェクト管理ツールを使っていた。

しかしすっかり使わなくなってしまい、使っているのはプログラマーさんだけ。だけどやっぱり使い続けていく上で、バージョンが古いままってのは不満がたまる訳で、0.8系を我慢して使ってもらっていたのだが、もうさすがに限界。タイミング良くそろそろ正式にバージョン1がリリースされるらしいからバージョンアップして欲しいと依頼があった。

ハッキリ言って、Redmine(を動かす環境)はいじりたくなかったりする。理由はRuby+Rails環境だからだ。正直言ってRubyはようわからん。私はプログラミングはもちろん出来ないが、このRailsという概念が良くわからん(深く調べてないからわからなくても当然なのだが)。しかし一応私が管理を担当しているサーバーなので要望があれば検証してみなくてはならない。上の方からも指示があったし。

という訳でサクッと調べてみたところ課題がいくつかある事が判明した。

  1. Rubyのバージョンが古いのでバージョンを上げる必要あり
  2. Rails環境も古いのでバージョンを上げる必要あり
  3. CentOSのyumからは、1.8.5までしか上げられない
    なぜRuby系のリポジトリが無いのか???
  4. 今後もチクチクバージョンアップを追従していくのは手間だ

1.と2.については、3の理由によりソースからコンパイルするしか無いが、嬉しいことに「checkinstall」というプログラムを使えば、rpmパッケージを容易に作成することが出来るので、rpmで管理することが出来る。(BSD育ちの身としてはソースからのコンパイルが原則だがPortsの利便性は捨てがたいので、Redhat系Linuxの標準パッケージ形式rpmが作れる「checkinstall」は非常にありがたい。だからyumリポジトリをたてる人が居ないのか?)

もちろん、rpmコマンドでサクッとインストール出来る様にrpmパッケージを生成してくれるので簡単にインストールが出来るし、将来的にナニをインストールしてたっけな?ってな場合でもrpmコマンドで楽々管理出来る。

個人的には極めて削り落としまくったシステムならパッケージ管理ツールは不要と思うが、色々なサービスを提供しているサーバーでは不可欠と思われる。いちいち覚えてられないし・・詳細なドキュメント残してられないし。

という訳で今回の最課題は4である。今後も「バージョンアップして~」と不定期に言われるのは何かと調子が狂うので困る。Redmine開発者にバージョンアップしないでくれって言う訳にもいかないし。という訳でせっかくLinuxサーバを使っているので、Subversionを使ってtrunkを追いかけられるようにしようと考えた。案の定ググったら詳しい解説があってSubversionはWindowsローカルでしか使ってない私にも理解可能であった。

ここまでが実現出来れば今後の維持管理がかなり楽になる。

必須だとは思うが、作業前に必ずバックアップを取っておこう。SQLを使っている場合はそちらのダンプも忘れずに。バックアップの仕組みを備えてない人は先にそちらから着手するのが望ましいと個人的には思う。

検索するとネット上に鍵となる情報を公開してくれている人が沢山いるので備忘録程度に要点だけ、自分の為に残しておく。

まず、古いruby関係のパッケージは全て削除しておく必要がある。おそらくyumでインストールしたら余計なモノまで沢山入っているのでどんだけruby関係のファイルがインストールされているか確認して削除する必要がある。

# rpm -qa | grep ruby
# rpm -e ruby
# rpm -e ruby-libs
などなど、古いバージョンのrubyに依存しているものは全て抹殺する。

最新版、もしくはほどよいバージョンのソースコードを落としてきて下ごしらえをする。

# ./configure
# make

更に前述の「checkinstall」でrpm化してしまい、rpmからインストールしてしまう。

# checkinstall --fstrans=no
# /usr/src/redhat/RPMS/i386/ruby-1.8.7-p72.rpm

これでrpmで管理が出来る。同様にして「rubygems」もソースコードからコンパイルしてrpm化してインストールしてしまう。上記の1~3までの課題は「checkinstall」でほぼクリアだ。(慣れればたいした手間ではない)

Subversionについては詳しくは記さないので、Subversionの使い方とか概念は自力で調査して欲しいが、新規の場合はリポジトリからチェックアウトしてくるだけだ。そこに既存のデータベース設定ファイルや、添付ファイル機能を使っている場合はfilesフォルダ内のランダムなファイル名のファイルを全て新環境にCOPYしたりと、環境を移行させる地道な作業が最初は必要。

データベースのマイグレーションは、今後のバージョンアップ作業をSubversionで省力化してもやらなくてはならない作業なのでRedmineのオフィシャルなアップグレードのドキュメントサイトへのリンクを記しておこう。

これから初めて使ってみようかなって思っている人にはこちらをお薦めしておこう。個人的にはわかりやすく解説してあると思う。って自分の備忘録の為にね。


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